
ガラス工事業の一人親方の労災保険は埼玉労災におまかせください。
すでに多数のガラス工事の一人親方様にご加入いただいています。
ビルの窓ガラスなどの取り付けや交換をするガラス工事。いったいどんな仕事なのでしょうか?
また気になる年収や年収アップ方法などを解説していきます。
ガラス工事業の一人親方ってどんな仕事?
ガラス工事業とはその名の通り、ガラスを取り扱う工事全般の仕事を指します。
建築業務許可事務ガイドラインでは「工作物にガラスを加工して取り付ける工事」と定義されています。
つまり、建物などの工作物に対し、ガラスやフィルムを加工・取り付ける仕事です。
具体的には、
- ガラス加工取り付け工事
- ガラスフィルム工事
が主な内容です。
つまりガラス加工以外にも断熱用フィルム、紫外線カットフィルムなどの貼り付けや加工もガラス工事業に含まれます。
注意点として、窓枠の取り付けは「建具工事業」の範囲であり、ガラス工事業には含まれません。ただし窓枠とガラス工事を一緒に請け負うことは多いです。
ガラス工事業の年収は?
ガラス工事業の平均年収は約411万円で、建設業全体の平均と比べてもやや高めです。
日本人の平均年収とほぼ同程度と言えます。
年齢別の会社勤めの平均月収は以下の通りです。
- 20代:22.7万円/月
- 30代:31.7万円/月
- 40代:41.2万円/月
20代でも他の建設業と比較して高く、年齢とともに月収は上がる傾向にあります。
技術の習熟度や地域差で年収は変動しますが、一人親方になれば年収は800万円前後、さらに職人を数人雇って会社化すれば年収1000万円も可能です。
ガラス工事業の一人親方にとって有利な資格
1. ガラス施工技能士
ガラス施工技能士は国家資格である技能検定の一種で、全国の各都道府県が実施しています。
試験はガラス施工に関する学科試験と実技試験の2つに分かれており、合否はこれらの試験結果によって決まります。
なお、ガラス施工技能士の資格は、職業訓練指導員(サッシ・ガラス施行科)の実技試験免除資格としても認められています。
この資格には1級と2級があり、それぞれに定められた内容の実技試験が行われます。
作業試験の制限時間は約3時間10分、1級の学科試験は1時間45分です。
1級の試験内容
- 作業試験
与えられた試験台や図面をもとに、アルミサッシの組立て・取付け、板ガラスの切断・加工、方立工法・弾性シーリング工法・グレイジングガスケット工法を用いた板ガラスの取付け作業、さらに建築窓ガラス用フィルムの貼付け作業を行います。 - 学科試験
立面図や建具詳細図などを基に、ガラスの適正な寸法計算、工事費の算出、住宅用アルミニウムサッシの取付けに必要な寸法の計算などを行います。
2級の試験内容
- 与えられた試験台や図面を使い、アルミサッシの組立て・取付け作業、板ガラスの切断・加工、各種工法(方立工法・弾性シーリング工法・グレイジングガスケット工法)による板ガラスの取付け作業、建築窓ガラス用フィルムの貼付け作業を行います。
この資格がなくてもガラス工事業の仕事は可能ですが、あくまで技能を証明するための資格です。
とはいえ、一人親方として活動していくには、この資格を持っていることがほぼ必須となるでしょう。
また、今後キャリアアップシステムの普及により、資格や経験が評価される仕組みが進むため、この資格がなければ仕事を受注しづらくなる未来が予想されます。
2. 施工管理技士
建設業の許可や大規模工事(1000万円以上)を請け負う際に必要な資格です。一人親方には必須ではないものの、独占資格であり職の幅が広がります。会社経営や年収アップにも有利です。
- ガラス工事業では「建築工事施工管理技士」が該当。
- 1級・2級があり、1級は非常に実務経験が必要で合格率は20%以下の難関資格。
受験資格は学歴と実務経験によって細かく決まっていますが、実務経験が十分あれば誰でも挑戦可能です。
施工管理技士の受験資格
ガラス工事業の一人親方がキャリアアップや大きな仕事を請け負うために取得を目指す「建築工事施工管理技士」には1級と2級があります。
受験には学歴や実務経験の条件が細かく定められており、特に1級はかなりの実務経験が必要で難関資格です。
【1級建築施工管理技士の受験資格】
以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
指導監督的実務経験を1年以上含む場合
- 大学の指定学科卒で実務経験3年以上
- 大学の指定学科以外卒で4年6か月以上の実務経験
- 短期大学・高専(5年制)の指定学科卒で5年以上の実務経験
- 短期大学・高専(5年制)の指定学科以外卒で7年6か月以上の実務経験
- 高校の指定学科卒で10年以上の実務経験
- 高校の指定学科以外卒で11年6か月以上の実務経験
- 上記学歴がない場合は15年以上の実務経験
- 二級建築士試験合格者で合格後5年以上の実務経験
- 2級建築施工管理技術検定合格者で合格後5年以上の実務経験
- 2級建築施工管理技術検定合格証明書交付後5年未満の者で、短期大学・高専(5年制)指定学科以外卒業は9年以上の実務経験
- 同じく高等学校指定学科卒は9年以上、高等学校指定学科以外卒は10年6か月以上の実務経験
- その他の者は14年以上の実務経験
専任の主任技術者を1年以上含む場合
- 高校指定学科卒で8年以上の実務経験
- 高校指定学科以外卒で9年6か月以上の実務経験
- その他の者は13年以上の実務経験
- 2級建築施工管理技術検定合格者で合格後3年以上の実務経験
- 2級建築施工管理技術検定合格証明書交付後5年未満の者で、短期大学・高専指定学科卒は7年以上の実務経験
- 高校指定学科卒は7年以上、高校指定学科以外卒は8年6か月以上の実務経験
- その他の者は12年以上の実務経験
【2級建築施工管理技士の受験資格】
- 大学の指定学科卒で1年以上の実務経験
- 大学の指定学科以外卒で1年6か月以上の実務経験
- 短期大学・高専(5年制)の指定学科卒で2年以上の実務経験
- 短期大学・高専(5年制)の指定学科以外卒で3年以上の実務経験
- 高校指定学科卒で3年以上の実務経験
- 高校指定学科以外卒で4年6か月以上の実務経験
- その他の者は8年以上の実務経験
- 職業能力開発促進法による技能検定に合格した者も受験可能
ポイント
- 1級は実務経験が長く、受験資格の条件が厳しいため、段階を踏んで2級を取得し、経験を積んでから挑戦するケースが多いです。
- 施工管理技士は建設業の大きな仕事を請け負う際に求められる資格で、一人親方としても将来的に独立や事業拡大に非常に有利です。
ガラス工事業で働くメリット
- 独立しやすい
- 仕事が安定している
一般住宅から工場、高層ビル、アミューズメント施設など、あらゆる建物でガラス工事は必要です。
建物がある限り需要はなくなりません。
独立して一人親方になるのも比較的容易で、年収を上げることも可能です。
独立後も元請けになりやすく、組織化してさらに収入を増やすことが可能です。
ガラス工事業のデメリット
- 体力的にきつい
- 割れやすいガラスを扱うため慎重な作業が必要
建設業全般に言えることですが、力仕事が多く安全管理が重要です。
ガラスは非常に重く、ちょっとした衝撃でわれてしまう恐れがあるため常に慎重に気を張って仕事をしなければなりません。
ガラス工事業の労災事故事例
1. 住宅のガラスサッシ交換準備中に、サッシが倒れ挟まれる事故
この災害は、個人住宅での断熱窓ガラス交換の準備作業中に発生したものです。
当日、被災者は前日に納入されたサッシ付き窓ガラス22枚をトラックに積み込み、作業現場である住宅に到着。玄関前にトラックを駐車しました。
その後、荷台に4列で積まれていたガラスサッシのうち、最前部にあった10枚(合計重量約290kg)の緊縛を解き、荷降ろし作業に取りかかろうとしました。助手席側に足を掛けた瞬間、固定が外れた10枚のガラスサッシが一斉に崩れ落ち、被災者は跳ね飛ばされてしまいます。結果、住宅の門壁とガラスサッシの間に頭部を挟まれる形となりました。
直後に、ガラスの割れる大きな音を聞いて駆け付けた依頼者宅の奥様が119番通報。救急隊により被災者は救出され病院へ搬送されましたが、頭部に変形が認められ、さらに鼻腔および耳から多量の出血が確認されました。その後、脳挫傷により死亡が確認されました。
2. ゴンドラ作業中にワイヤロープが外れて墜落事故
この災害は、ビルメンテナンス業者の下請作業員2名がゴンドラでガラスクリーニングを行っていた際、ワイヤロープが外れたことで約7mの高さから墜落し、休業災害を負ったものです。
災害発生日、下請業者の職長は作業員に対し、
- 当日の作業範囲は「11階から14階のガラスクリーニング」であること
- 「11階より下へはゴンドラを降下できない」こと
を事前に伝え、作業が開始されました。
作業員2名は予定されていた範囲の清掃を終えましたが、「できるだけ作業を進めてしまおう」と判断し、指示を超えて11階より下へゴンドラを降下させ、清掃を継続しました。7階部分の作業を終えてさらに降下しようとした際、ゴンドラを支えるワイヤロープが外れ、ゴンドラごと墜落。約7m下の4階部分に設置されていた足場へ激突しました。
原因を調べたところ、このゴンドラには地上まで届かない短い長さのワイヤロープが使用されており、端部も十分に固定されていませんでした。設置業者は「後に長いロープへ交換すること」を前提に仮止めしていたため、緊結が不十分だったのです。
さらに、「11階より下へは降下できない理由がワイヤロープの長さ不足にあったこと」を、職長を含め下請業者の誰も把握していなかったことが、災害を招いた大きな要因となりました。
まとめ
ガラス工事業はデメリットが少なく、独立しやすいため一人親方にとって年収を上げやすい職業です。元請けとして工務店化も可能で、事業拡大による収入アップも見込めます。
もしもっと詳しい労災保険の相談や具体的な手続き方法について知りたい場合は、ぜひご連絡ください。ガラス工事業の一人親方様をしっかりサポートいたします。