土建組合員

土建組合とは?

土建組合は、建設業界で働く人たちが加入できる労働組合です。
地域ごとに支部があり、一人親方でも加入できます。一人親方は個人事業主という立場ですが、実質的に労働者と見なされる場面もあるため、労働組合に参加することで保険制度や交渉の場を得ることができます。

団体として交渉力を持ち、収入や労働条件を守る仕組みの一環として活用されているのが特徴です。

土建組合のメリット

まず、健康保険の面でメリットがあります。
土建国保に加入することで、自治体の国民健康保険よりも保険料が安くなるケースが多いです。また、労災保険の特別加入も組合を通じて行えるため、手続きに不安がある人には心強い存在になります。

他にも、地域の建設業者とのつながりができたり、家族(特に配偶者)同士の交流の場が設けられたりする場合もあります。
ただし、こうした人間関係を面倒に感じる方にとっては、それがデメリットになることもあります。

土建組合のデメリット

組合費が高い

月額5,000円〜8,000円、年間では6万〜10万円程度の組合費がかかります。
建設国保や一人親方部会を通じて同じような保険に加入する場合、ここまで高額な会費は必要ないため、費用対効果で考えると割高に感じる人も多いです。

通院・治療中の人は保険に入れない場合がある

土建国保では、入院中や薬を服用している場合、加入を断られるケースがあります。
これは本来の保険制度の理念に反しているようにも感じられ、他の建設国保や市町村国保であれば、病気を理由に断られることはほとんどありません。

会議やイベントへの参加が求められる

土建組合は、月1回の班会議への参加や組合内イベント、青年会活動などへの参加が求められる場合があります。
これらは任意とはいえ、参加しないことで気まずさを感じたり、周囲からの目を気にしたりするような雰囲気になることも。

会費納付の制限

支部によっては、会議に出席した時にしか会費を納付できない制度をとっているところもあります。
欠席すると支払いができず、未納扱いになることもあり、不便に感じる人も多いです。

他の会員の集金役を頼まれることも

自分以外の組合員の保険料や会費の集金を頼まれることもあります。
すべての支部で行われているわけではありませんが、旧来の風習を残している地域も存在し、不満の原因になっています。

青年会への参加が負担になることも

青年会では、スキーやBBQ、スポーツ大会などのイベントが活発に行われています。
若い世代はSNSでのつながりで十分と感じる人も多く、こうした「リアルな交流イベント」は苦痛に感じることもあります。中には、年齢的に幹事や実行役を任されることもあり、プレッシャーになってしまうことも。

他の選択肢との比較

建設国保や一人親方部会といった制度を利用すれば、土建組合に入らずとも必要な保険には加入できます。
特に建設国保は、傷病手当金や出産手当金などが手厚く、家族も対象にできるなどのメリットが豊富です。
一人親方部会では、労災保険の特別加入手続きだけを簡単に済ませることもでき、組合活動などに参加する必要はありません。

まとめ

土建組合に加入することで、健康保険や労災保険への加入がしやすくなるというメリットはありますが、組合費の高さやイベント・会議への参加など、負担が大きくなる面も見逃せません。

もし「できるだけ費用を抑えたい」「人間関係のしがらみは避けたい」「保険の加入だけが目的」ということであれば、建設国保や一人親方部会の利用を検討してみるのも一つの方法です。
自分の働き方や性格に合った制度を選ぶことが、長く快適に働くためのポイントです。