グリーンサイトとは?(2025年最新情報)

「グリーンサイト」は、建設現場で必要な労務・安全衛生に関する書類(通称:グリーンファイル)を、インターネット上で簡単に作成・提出・共有・確認できるクラウドサービスです。

従来は紙で作成・持参・保管していた膨大な安全書類を、PCやスマートフォンでオンライン上から扱えるため、業務の効率化とペーパーレス化を同時に実現できます。

元請・協力会社どちらにもメリット

  • 協力会社側は、安全書類の作成・提出の手間を大幅に削減でき、現場ごとの書式の違いにも柔軟に対応可能。
  • 元請会社側は、各協力会社からの書類確認や保存作業が効率化され、現場のコンプライアンス強化にもつながります。

このような理由から、大手ゼネコンや中堅建設会社を中心に導入が進み、いまや建設業界全体でスタンダードな仕組みとなりつつあります。

現場作業員の「身分」が明確に

グリーンサイトの普及により、現場に入場する作業員の雇用形態や保険加入状況が事前に明確にチェックされるようになりました。

具体的には:

  • 直接雇用の従業員:社会保険・雇用保険への加入が必要
  • 一人親方(個人事業主):労災保険(特別加入)への加入が必須

これにより、以前は黙認されがちだった、一人親方を「正社員として偽装」するような不適切な働かせ方が、完全に通用しなくなります。

安全書類に嘘は書けず、事前登録された保険情報や資格情報が正確に照合されるため、労災トラブル時の言い逃れや責任逃れはできません

グリーンサイトの導入は、現場の安全性向上とコンプライアンス強化の観点から、ますます重要な役割を果たすようになっています。

  • 建設業界で標準化された「グリーンファイル」をクラウドで管理できるサービス。
  • 協力会社IDは年4,800円/1名(税別)、初回のみ初期設定費10,000円(税別)がかかります。
  • 2025年時点で登録作業員数197万人超、一人親方は約50万人と広く普及しており、元請・協力会社双方の書類業務を効率化しています 。

一人親方向け登録手順

インターネットで申し込み

  • スマホやPCで専用URL(https://gs.kensetsu-site.com/entry)にアクセスし、名前・屋号・住所・退職金共済や労災上乗せ制度の情報などを入力します。
  • 一人親方は「協力会社(個人事業主)」として1IDプランで登録が可能です 。

書類の提出(原本)

  • 利用申込書(メールで届くPDF)
  • 住民票(マイナンバー記載、発行から6ヶ月以内)
  • 印鑑登録証明書(個人印用、6ヶ月以内発行)
  • 法人の場合は登記簿謄本が必要ですが、一人親方は住民票のみでOK 。

入金と利用開始

  • 書類提出後、請求書が届きます。初期設定料10,000円+基本利用料4,800円/年(1ID)を銀行振込で支払います。
  • 入金確認後、約3週間以内にID・パスワードが発行され、翌月1日から使用可能です。

登録代行について

  • 元請企業が下請け企業や一人親方の情報をグリーンサイトに代行登録するサービスもあります。
  • 通常、代行登録1社あたり年間2,400円がかかりますが、一人親方本人は無料扱いです 。
  • 上位企業の手間も考えれば、自社で申し込みをすることをおすすめします。
  • 自分で登録すれば、申請タイミングや更新も自由に行えるメリットがあります。

グリーンサイトのメリット

ペーパーレス・業務効率化

  • 書類作成・提出・確認をすべてオンラインで完結。印刷・郵送・持参の手間が省けます。

記入ミス防止・添付忘れの軽減

  • 必須項目チェックや資格・健康診断などの自動反映により、記入漏れ・添付忘れを防げます 。

更新漏れアラート機能

  • 資格・健康診断の更新時期を通知。リマインダーが表示されるため、有効期限切れを未然に防げます。

CCUS(建設キャリアアップシステム)との連携

  • CCUS登録情報との連動が可能で、情報の再入力が不要になる利便性があります。

デメリット・注意点

初期費用がかかる

  • 初回は10,000円の初期設定費用+4,800円/年(1ID)の利用料が必要です。小規模でも負担感を感じるかもしれません 。

自動入力内容は必ず確認

  • 自動反映される情報に誤りがあると、差し戻しや現場拒否につながる恐れがあります。出力前の確認が必須です 。

登録・更新のわずらわしさ

  • 情報変更(住所・資格など)時には、更新手続きが必要。書類再提出や再登録が発生する場合があります 。

一人親方には「特別加入の労災保険」が必須です

建設現場で働く一人親方(個人事業主)は、法律上、労災保険の対象外となるため、「労災保険 特別加入」の手続きを自ら行う必要があります。

現場で万が一事故やケガが発生しても、特別加入していなければ一切の補償が受けられません。それだけでなく、最近では多くの元請企業が「特別加入していない一人親方は現場に入れない」というルールを採用しており、労災保険の特別加入は、実質的に“一人親方としての身分証明”になってきています

また、グリーンサイトなどの現場労務管理システムでも、特別加入の有無が確認される仕組みが整っており、加入していない一人親方はシステム上でも登録・承認されないケースが増えています。


労災保険やグリーンサイト登録に不安のある方へ

一人親方部会では、こうした最新の現場事情や法令の動向に詳しい社会保険労務士が在籍しており、一人親方や協力会社の皆様に向けて、特別加入の労災保険のご相談を随時受け付けています

  • 「何から始めればいいか分からない」
  • 「特別加入の手続きが面倒」

といった方も、お気軽にご相談ください。

あなたの現場での安全と信頼を守るために、私たちがしっかりサポートいたします。